透明な君が消えるまで#11

透明な君が消えるまで#11
「そんなことない!」 蒼真くんが必死な顔で僕を真っ直ぐ見つめていた。 視界がぼやけてる。ボクは泣いているのだろうか。 蒼真くんが息を吸い、話し始めた。 「僕さ、ずっと凛透のことが…受け入れられなかったんだ。」 よく分からなかった。 「正直すごくびっくりしたし、今までのは凛透の理想の凛透じゃなかったんだって思った。…気づけなくて、ごめんって、思った。」 少し怖くなった、これから蒼真くんの紡ぐ言葉の続きを聞くのが。 だけど同時に大好きな親友の本当の気持ちを聞きたかった。 「でも、僕たちに打ち明けてくれたあの日から、目の前の凛透の持ち物が変わって、僕たちに楽しそうに話す凛透を見て、違和感が拭いきれなかった。……最低だよね、僕。凛透をずっと、認められてなかったんだ。どんな凛透でもいいはずなのに、目の前の変化のスピードについていけなくて。」
叶夢 衣緒。
叶夢 衣緒。
自己満です。 飾らない“なにか”を綴りたい。 少し投稿頻度落ちてます。 努力は報われない。 ※フォロバ目的のフォローはしません。フォロバも期待できないと思います。 2023年 2月27日start 3月3日初投稿