犬の気持ち その28
「ぽち、今年が残りわずかなんだけど」
そうだな。寒くなってきて、毛がふさふさになってきた。帰ったら、ブラッシングをしてほしいくらいだ。
「ぽちはええよな。毛があるから、冬でもぬくぬくやろ」
それでも、寒いものは寒いからな。毛は、別に万能ではないぞ。
「大して人間は、防寒具を着るしか能がない……。本当にそれでいいのか、人間は……」
大丈夫だ。青に心配されるほど、人間は危ない状態にないし、例え何か危機が訪れても青は何もしなくてもいい。
「なぁ、ぽち。少しばかり私に毛を譲ってくれんか?」
ブラッシングで抜けた毛であればいいが、刈り取るのはやめろよ。
あと、俺の毛は、そんなに量がないぞ。
「ぽちの毛を集めて、コートを作れば手軽に毛皮のコートが完成や。知っとるか、ぽち。毛皮コートは高いんやで」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/11/2 4:32
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。
あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。
カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。