透明
恐ろしいほど美しく澄み渡った、透明の水の底へ底へと落ちていく………
顔の両脇で、二つに結んだ長い黒髪が、水のゆらめきに合わせてゆらゆら踊った。
上へと向けられた二つの瞳は、水中を通して舞い込んでくる、たくさんの大小の虹色の泡玉と、小舟の黒っぽい影を、ぼんやりと見つめていた。
冷たくもなく、温かくもない、ぬるい水の中、その影へと手を伸ばしてみる。
五本の白い指の間から、眩しい太陽の光が差し込んで、顔の上で、ゆらゆら揺れた。
身体が、沈む。落ちて行く………緩やかに…ゆるゆる……
下へ下へと水を切って進む身体の重みの下で、押しのけられた水が、細かい泡を吐き出しながら、肌をなでていく。
心地いい。
恐怖は、感じない……
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2025/7/18 19:34
Tentomushi
初めまして。Tentomushiと申します。
学生です。よろしく。