台風
心が殺された。全部終わった。人生を失ったかもしれない。私は行き場がない。どうしようもない。どうしたらいいのか分からない。どうしよう。それはよくある話で、私が浮気相手だった。相手が既婚だとかそんなこと知らなかった。ただ楽しい日々だったから。
奥さんの猛烈なビンタを食らって私は目を覚ました。彼女はひどく打ちひしがれた様子で、彼はかわいそうにと言って二人は車で帰って行った。一瞬で全てを失った気分だ。私は馬鹿だった。ただ楽しい日々になんの疑問も持たないで、馬鹿だった。最初に聞くべきだった。彼があんまりナチュラルにナンパをするから、彼女がいないと思った。でもよく思い出せば、2回目のデートはホテルに行った。最初から体目当てだったんだ。私は本当に馬鹿だった。苦しい。
(私は幸せになれないのかな。)
気がついた時には私は大雨の中、ずぶ濡れになっていた。
「あ、。」(帰らなきゃ。)
私は立ち上がり、家へと歩き出した。車が水たまりに入り、私に泥水がかかる。
(ああ、私は何て惨めなんだろう)
と思った。寂れた商店街を歩いてた。「タバコや」と書かれた店に、ポツンと自動販売機があった。私は何かを買おうと近づき、冷たいいちごミルクが目に入る。
(きっとこんなものが好きだから)
私は無糖コーヒーを買うことにした。しばらく雨宿りをしながらコーヒーを飲んだ。雨はだんだん酷くなって行くようだった。コーヒーがちょうど半分くらいの時、向こうから男の人が走ってきた。私は怖くなって、その場から離れた。雨の中家に歩いて帰って行く。体から熱が奪われていくにつれ、感情も無くなっていくようだった。
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2023/10/1 23:23
枯れ木
どん底から這い上がれるかは自分次第。映画の名言