虚像
貴方ではない貴方を見ている自覚はあった。そんな貴方への愛をどれだけ大事に育てたところで、いつか失礼なほど身勝手な失望によって簡単に死んでしまうことも分かっていた。しかし、だからといって愛するのをぴしゃりとやめられるほど、私は自分を操ることはできないのであった。
初めて貴方の存在を認識したとき、なんて自己愛の強い人なんだろうと思った。平気で嘘をつくし、人にお金を借りることにも躊躇がなく、よく後輩に奢ってもらっている貴方を、私はあまり好かなかった。しかし何故だか、貴方と話してみたいと、貴方を知ってみたいという欲が、奥の方で波を立てずにそこにいたのである。
初めて貴方と話した時は、やっぱりなんて無鉄砲な人なんだろうと思った。人を傷つけることをさらっと言ってしまうし、後先考えず嫌いな相手にボールを蹴って、相手の後頭部に当ててしまい脳震盪を起こさせてしまっていたときは、本当に呆れた。
しばらく貴方を見ていて、実はすごくストレスに弱い人なのだと知った。抱えなければいけない問題が多すぎて、頭を抱えて蹲っていた貴方を見て、私は抱きしめたいと思ってしまった。そこから私は、違う貴方をつくりはじめた。
貴方が好き。貴方を支えたいし支えられたい。
どんなに辛いことでも共感してくれるであろう貴方が。
どこまでも自分の夢を追うであろう貴方が。
今にでも消えてしまいそうな、死にたいなんて言ってしまいそうな貴方が。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/12/15 15:47
いかのこ
主に自分が思ったこと感じたことを書いてます!いつか物語も書きたいと思ってます!
投稿頻度は低いですが、よろしくお願いします( ¨̮ )و✧