第三話 身長

第三話 身長
「ねぇ、来月身体測定だね。」 「あぁ…そういえばそうだな。」 リエは歩いている足を止めてじっと俺を見る。 「俺の顔に何かついてる?」 「また背が伸びてるんじゃないの?成長期だし、いいよねー男子は…」と嫌味ったらしく言ってまた歩き出した。 「あー…そういうこと」 リエは幼い頃から背が低く小柄だ。 幼い頃は同じ背でも学年が上がるにつれ、俺の方が背が高くなっていった。中学三年生の頃にはリエが俺と話す時は少し上を向かないといけないくらいには背が伸びていったのだ。 身体測定はリエと身長差が開いていることが数字として明確に表される。 リエはそれが嫌とのこと、でも仕方ない。男は成長期でかなり背が伸びる。俺も成長期に入ってから一六九センチから現在の身長の一七九センチに伸び、いきなり周りの物や人が自分より低くなったり、小さく見えたりするということが起きた。同時にこれが成長期なんだな…と実感も湧いた。
久我美歌
久我美歌
オリジナルの作品も書きたいと思いNoveleeのアカウントを作りました! 初めて小説を書いたのは中学生の頃です!#アイコン量産め〜か〜強 @runningPTY様