島の夜

少し冷たい風が木の葉を撫で回し、 太陽は一日の仕事を終えようとしている。 赤紫に似た橙色の空に、僅かな星と、月が出て 島を灰色に染め始めていた。 枝に乗っかった巣も、それに変わりはなかった。 一羽の雛は、銀色の雲を眺めながら 眠りにつこうとしていた。 朝の眩しさと夜の切なさを重ね合わせ、
向島冬彦
向島冬彦
書きたいときに書く