寒い国のチュチュとヒョウ 【メルヘンBL】
ここは、寒い寒い北の国。一年中雪が降り積もっていて、一面が銀世界。
移動手段は、そりとトナカイ。背の高いもみの木がたくさん植っている森の中の小さな家に、チュチュは生まれました。
母親譲りのきれいな金髪に、長いまつ毛。チュチュはとても綺麗な少年に育ちました。
チュチュの母親は彼を産んだすぐ後に、病気で亡くなってしまいました。ですからチュチュは、母親がどんな顔をしていたのか、写真でしか知りません。
彼の父親は、チュチュを養うために、一生懸命働きました。彼の仕事は、木を切って薪を売ることです。その仕事はあまり稼げませんでしたが、それでも彼は一生懸命木を切り続けました。
今年、チュチュは十歳の誕生日を迎えました。いつも働き詰めの父親もその日ばかりは仕事を休み、彼の誕生日を祝います。
しかし、楽しい誕生日も一日でおしまい。次の日からまた父親は仕事に行き、チュチュは一人で家にいなければなりませんでした。
チュチュはとてもとても寂しくて、一人ベッドの上で泣いていました。わんわんと声に出して泣いていました。
暖炉の火が、彼をそっと照らしています。
そんな時です。こんこんと、誰かがドアを叩く音が聞こえました。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2021/10/15 15:33
最終編集日時: 2021/10/15 15:43
サーモンハンバーグ
小説やらを書散らす、自称小娘です。
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