第三十二話 最終決戦Ⅰ

第三十二話 最終決戦Ⅰ
 俺がジニアの奴らに解放されてから数時間の時が流れた。街中をただ歩き続け、やがて『暁の会』のアジトに辿り着いた。今はもう使われていない廃工場。『ARM367』で強化された亜人が集まって組織されていたが、それももう残り数人だろう。特にAKSMUから盗み出したDNAを使用して作り出されたオーガの亜人、不死鳥の亜人、そしてミノタウロスの亜人は重宝されていた。だがそれも壊滅してしまった。これでは仲間に合わせる顔がない。  俺は身体に張り付くような疲労感を覚えながらアジトの扉を開いた。鉛のように重い足を動かし、『父様』の元へと歩き出す。  作戦は失敗に終わった。  ようやくジニアのアジトの居場所を掴んだと言うのに……。  もしかすると、『父様』はひどく落胆しているかもしれない。だが会わないわけにはいかない。報告をしなければならないからだ。道中、数人の亜人とすれ違ったが、彼らは俺を卑下するような眼差しを向けた。『ARM367』を投与して戦線に赴いたというのに敗走で終わってしまった俺を見て憐れんでいるのだろう。とても滑稽だ。自分が惨めに思えてくる。  ようやく『父様』のいる部屋へと辿り着いた。扉を開けると眼前にそびえ立つ玉座に彼は座っていた。『父様』はいつも通り白い無地の仮面をつけ、黒ローブに身を包んでいた。 「ランドン……クーリスはどうした?」  クーリス。不死鳥の亜人の真名だ。 「クーリスは死にました……『赫の魔女』に殺されました」 「そうか……お前達は負けたのか?」
白崎ライカ
白崎ライカ
アニメ、ファンタジー、剣戟アクションが好きです。 自分の好きな時に書いてるので、 不定期投稿です。 温かい目で見て下さると作者は喜びます! 使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです! カクヨムでも連載を始めました! よろしくお願いします〜