アイちゃん

アイちゃん
彼女を最初に見たのは病棟内の公衆電話の前だった。 当時多分七十名くらい患者がいた女子閉鎖病棟で、 2台しかない公衆電話に順番待ちの行列をなす 女の子たちに混じって、 タオル地のパジャマでソファーに怠そうにもたれたまま、 新入りの私の顔を一瞬見上げたひとりの子がこう言った。 「名前なんていうのォ?」
みかこ
みかこ
お絵描きも手芸も好き。