君への独り言
ねえ、きみにひとつ、お話しをしてもいいかな。
ぼくはね、いまきみが手に持っている、この小さな本なんだ。紙のにおいがするでしょう? ページをめくるたびに出る、かすかなパサリという音、あれはね、ぼくがちいさく息を吐いている音なんだよ。
ぼくが住んでいるこの世界にはね、とても不思議な港町があるんだ。
その町には、海から届く波の音をぜんぶ大きな蓄音機で録音している、耳の大きな古いおじいさんが住んでいてね。おじいさんは毎日、拾い集めた波の音を、ガラスの瓶につめて売っているんだ。
「これはね、三年前の春の朝の、あくびみたいな波の音だよ」
「こっちは、どこかの船乗りが落とした、銀色のコインの音が混ざった波だ」
0
閲覧数: 91
文字数: 1027
カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/8/9 8:45
高梁ガニ
皆さん初めまして。出来るだけ多くの作品を作りたいと思っています。出来ればコメントしてくれたらなーと思っています(欲では無いです)。最近復帰しました。心配かけた皆さん、本当にすいません!😭。これからは活動していくので改めて皆さん宜しくお願いします!