第七十九話
「おらぁぁあ!!」
雷の如く迫ってきたのは、清海が投げた錫杖だ。伊佐の頭上スレスレを通り、槍を勢いよく弾いた。槍は屋敷の柱へズドンと刺さり、ゆらりと消える。錫杖に関しては、屋敷の縁側をぶち壊していた。
目を見開いていた伊佐は、短い呼吸を繰り返している。清海は、急いで伊佐の元へと駆け寄った。心配そうに伊佐の様子を窺う。
その瞬間
「甚八ィー!しゃがめー!」
甚八が声のする方を向くと、十蔵が銃を構えていた。甚八は即座に開脚をし、自身の体勢が限りなく低くなるようにした。間髪入れずに十蔵が弾を放つ。銃弾はそのまま真っ直ぐ飛び、式神のへそ辺りを撃ち抜いた。すると式神がゆらりと消え、穴の空いた御札がハラハラと落ちていった。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/10/25 9:59
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
澄永 匂(すみながにおい)
連載中の作品は、金、土曜日辺りに更新予定です。多忙ゆえ、更新しない週もあります…。
大学生&素人なので文章がぎこちないですが温かく見守ってください。
中学生の頃に作っていた話(元漫画予定だったもの)を書けたらいいなと思い、始めました。