アカイロ

アカイロ
 いつの日か見た光景。  焼き付いて離れない、呪いのような光景。  何気なく歩いていた。高い高いマンションの前。  ふと影が落ちた。なんだろうと足を止めて、上を見た。  まだ日が落ちるには早い、未熟な夕方だった。  サクッと音が鳴って口に運んだ菓子が割れる。  あの時もおやつを買いに行った帰りだった。十五の表示はもうなくなっていたが。  白と黒が入り交じる視界からやっと解放されて、鼻歌交じりに休みを堪能していた。ホームページや掲示板を見て息を吐いたばかりの友人もいたが、少なくともこの身は楽々と息を吸っていた。
白椿
白椿
主に小説を書いてます。 気まぐれ投稿です。