不可思議な行列

不可思議な行列
 ここは……どこだ? 男が気がついた時には、その行列に並んでいた。  周りには、濃い霧のようなものがかかっていて、何かがあるように見えるが、はっきりとは見えなかった。  分かるとすれば、体が……いや違う。  頭からつま先、五臓六腑に至るまで、まるで温かい湯船に浸かって、ふわりふわりと浮かんでいるような感覚だけがあった。  前後に人影と思しき形は見えるが、朧気になっていて、顔はうまく分からない。  その行列は、ちょっとずつ前に進む時もあれば、ピタリと止まって長いこと待たされたと思えば、前の人が駆け出すかのように急にぐんぐん前に進んだりと、なんともストレスのかかるものだった。  一体何があるのだと、何度も先頭を見ようとしたが、何も見えなかった。何へ向けて、何のために並んでいるのかが不明な、なんとも不可思議な行列だった。  なぜ、こんな所にいつまでも並ばされていなければならない。  嫌になった男は、行列から抜け出そうと試みた。  男はさっと横に動いて、見事に行列から抜け出し晴れて自由の身となった。
ペガサス
ペガサス
はじめまして! 将来ショートショート作家を目指して活動しています! ぜひ読んでいただきたいですし、皆様に面白い作品を届けたいので、至らぬところがあればいろいろ教えてください