ミライ。
「ミライちゃん、ありがとう。今日もすっごく良かったよ♡」
ラストの客が、趣味の悪いネクタイをぎゅっと締めながらニヤニヤと口角を上げて笑う。
さっきまでこの客の性癖である激しく尻を叩かれ性器を足で弄ばれ唾液でドロドロと顔面を汚されて悦び喘いでいたプレイさえも、一瞬で脳内から抹消したかのように、これから現実に溶けていくのだろう。
あたしが客の見送りのためスタッフにコールを鳴らしているとき、びちゃびちゃと汚らしい音を立てて耳を舐められた瞬間、あたしはそのネクタイでその首を締め殺してやりたい衝動に煽られた。
そしてエントランスまでの螺旋階段を降り、マニュアル通りに舌を絡めたキスをして、あたしはニコニコと笑いながら用意されたテンプレートを投げ付けた。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2025/1/7 13:26
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
後藤りせ