9.1

死のうと思った、生きていても何が得か、分からなかったからだ。 寂れた青写真を見て、戻りたいな。なんて思ったり。 今の景色に色なんてない。云うならば、ブラウン管テレビの白黒映像のようだ。 死のうと思った、今日で何回目だろうか。 天井から吊り下げられたクレモナロープを、ただただ眺めてる。 そして薬を慣れた手つきでもぎ取り、アルコールで流す。そこから記憶を飛ばして寝る。 死のうと思った、今日こそ死ねるだろうよ。 だって後押ししてくれるんだもん。
光野 影矢
光野 影矢
光野 影矢(こうの かげや) 短編小説として投稿してみます。 続きをよく書きます。 一話完結作品も多いです。 だいたい、経験したものを作品にしております。 あとイラストも自分で描きます。