月光石ラジオ、二十億年の夢

月光石ラジオ、二十億年の夢
 群青色した、眼もさめるような夢。  海と同じ色をした、わたしの心でもある夢に漁師の少年ペトロくんがいて、きょうもおサカナをすなどります。  小舟で漁にでるのですが、夢とおなじ青い物質でできた海に糸を垂らし、とうめいなサカナを釣るのです。  それはひょっとして、わたしの空想?    もちろんそうですが、光と色を呼吸する卵にも似た、いかにもわたしにとっては石よりもたしかな海。  そんな海で少年はラジオを釣りあげました。 ■
ミュウ
幻想的で美しいもの、儚い夢のようなもの、幽霊みたいに漠然としたものが好きです。