月影ノ誓  十三

月影ノ誓  十三
 第三章   第二節  凍鳴  天保六年・霜月(しもつき)。  四人は街道を北へと進む山中にいた。  木々の葉はほとんど散り果て、地を覆う枯れ葉を踏むたび、かさりと寂しい音が鳴った。  空はどんよりと曇り、雪虫がひとひら、風に乗って流れていく。  「……寒くなってきたな」
まき
まき
noteにて創作過程をUP中 https://note.com/dear_lupine5734