既読がつかないメッセージ

 今日は定期的に行われる、高校時代の部活メンバー同士での飲み会だった。  懐かしい、と称するには顔を合わせている機会は多い。  気心も知れて飲み慣れているメンバーとあって、年甲斐もなくはしゃいで二次会まで参加した。  とはいえ、自宅では妻である彼女が待っている。  日付が変わる前に帰宅できるよう、酔いが回りきる前に切りあげた。 「おかしいな……?」  携帯電話のメッセージアプリを見てひとりごちる。  寝る前には必ずメッセージアプリを確認する彼女が、一向に俺のメッセージに既読をつけてくれないのだ。
木のうろ野すゞめ
木のうろ野すゞめ
雰囲気小説を書く人です。 毎週金〜日曜日の間になにかしら書きあげていきたいです。 現在は主に「書く」「書く習慣」にて生息しております。 2025/8/16〜 ※無断転載、AI学習禁止