先輩の言い訳 その5
「生活空間について考えてみよう」
とある日の夕方。
研究室には、僕と先輩しかいない。
この状況は、少しばかり珍しい。
この時間になると、なんだかで書類仕事をしている研究者も多いものなのだが。
ちなみに僕と先輩は、その書類仕事も終えて、あとは帰るだけだ。
……そのはずだったのだが、先輩の講義が始まったのだ。
「生活空間。意味としては、日常の生活を送るために必要な環境の範囲……、と言ったところだろう。これは、わざわざ言うことでもなく、漢字を見るだけでも分かるかもしれないな」
先輩が、研究室にあるホワイトボードへ板書していく。先輩の使っているマーカーのインクがきれ始めているのか、少しだけ文字がかすれていた。
「時に君。江戸時代の東京……、言うなれば江戸の人口は知っているか?」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/3/22 3:52
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。
あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。
カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。