第4回NSS 欠陥人間

「マジ感動したー」、「涙腺崩壊なんだけど」  シアターのドアから出て行くと同時に後ろから聞こえてくる女性二人組の声。耳に入ってくる誰かの鼻を啜る音。  感動に包まれた雰囲気の中で、私はポップコーンだけではなく、やはり飲み物も買っておけば良かったと思った。  私はどうやら人としての感情が欠如しているらしい。  昔からそうだった。  小学生の頃、私の前で転んだ子がいた。その子は血が滲む膝を抱えて泣き出した。私はただその子を見つめていた。  すると、私の後ろから風を感じたと思うと同時に一人の女の子が泣いている子に駆け寄った。「大丈夫?」と優しく声をかけて、保健室にいこうとその子の手を取り、歩いていった。  私はその二人の後ろ姿を見ていて学んだ。ああ、誰かが転んだりしたときには、ああいう風に行動すればいいのだなと。  その頃から、自分は他人と何か違うらしいとぼんやりと感じてきた。  家族構成も人間関係も環境も特に問題なく、ただただ自分が欠陥なだけ。
はるきち
はるきち
いいねやコメント失礼しますm(_ _)m 心身健康な時だと出来るのですが、最近読める時と読めない時の差が激しくて…_(:3 」∠)_ こんなやつですが、よろしくお願いいたします