初体験

初体験
 ぎしり、と俺と彼女を乗せたベッドが音を立てる。 「や、優しくしてね…?」  彼女は少し怯えたような目で俺を見上げた。 「大丈夫、痛いのは一瞬だから」  彼女を落ち着かせるように、俺はそっと頭を撫でた。  それでもまだ怖いのか、彼女は体を強張らせる。  華奢な体は小刻みに震え、目をぎゅっと瞑って『その時』を待っている。 「力抜いて」  俺は彼女の耳に囁いた。
夏木 蒼
夏木 蒼
短編小説しか書かない人です twitter→ https://twitter.com/summer_blue_04