桜吹雪を君と 中

桜吹雪を君と 中
三[記憶] 「抱え込まないで、医療を頼ってください。わかりましたね?」 「分かってるって。必要以上に私を拘束しないで」 目覚めは最悪だった。 あの後眠れたのは二時間ほどでまだ外は暗かった。朝になるまでは本を読んで過ごし、気がつけば白衣を着た医者が来ていた。 案の定説教で始まり、説教で終わった。 どいつもこいつも言う事は同じだ。周りを頼れとしか言わない。もう普通の人として生きようとするのは辞めろと言うのだ。お前はもう亡者なのだと。死を魅了した代償なのだと。
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