ろくがつ、
六月の雨は嫌いだった。
制服の裾は濡れるし、髪はまとまらないし、空はずっと機嫌が悪そうだから。
だけど高校二年の梅雨だけは少し違った。
校舎裏の紫陽花が毎日少しずつ色を変えていったからだ。
青だった花が紫になり紫だった花がどこか赤みを帯びる。
まるで心そのものみたいだ、と彼は言った。
「知ってる? 紫陽花の花言葉」
放課後の渡り廊下。
雨を眺めながら、私は隣の席の春人に聞かれた。
「移り気、とか?」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/6/15 9:57
叶夢 衣緒。/海月様の猫
綺麗事が救いにならない夜の話。
正しさに置いていかれた感情と、
救われなかった青春の残骸。
優しい言葉ほど、いちばん痛い。
2023年
2月27日start
3月3日初投稿