マントルマン

マントルマン
 「博士、本当に行くんですか?!」  「もちろんだ。実際に見てもいないことをワシは信じるわけにはいかん。」  博士は数十年かけて作り上げた巨大なドリルに搭乗した。地面にドリルを突き立て、発進ボタンを押す。  「マントルは岩盤の層であると、誰が見たというのだ。」  博士の身体にドリルの振動が伝わる。  「地底人は、必ずいる。」  博士の言葉は地面を削る轟音にかき消された。  地上から5km通過。  「地殻」と呼ばれる層を掘り進める博士のもとに光は届かない。身体を伝わる不快な振動に未だ慣れずにいる。  10km通過。あたりは依然として岩石に囲まれている。
ほしのすみか
ほしのすみか
はじめまして。一話完結型のSF短編小説を少しずつ投稿します。