ギフト

風の強い夜だった。雫は窓を打つ風の音に耳を傾けた。 まるでそれは夜の魔物が荒れ狂う様に似ている。 その魔物が暴れて襲われないうちに雫は悠一の肩にそっともたれかかる。 幼子を慰めるように悠一は雫の透き通る髪に、頬に、唇にキスをした。 雫は悠一の熱を帯びた夜明けを感じさせる唇が好きだ。
テディベア
テディベア
詩を長年書いてます。詩では銀色夏生さん。小説では江國香織さんが好きです。あまり固苦しくなく、気軽に読めるものが好きです。