南くんと帽子

南くんと帽子
私は帽子屋で働いている小泉舞衣。帽子屋で働く人って結構少ないと思う。それを本業にするともっと。なぜ私がその帽子屋を選んだかって?理由は一つ。楽しいから。 毎日、朝起きて自転車で通る見慣れた街と清々しい空気。丁度いいくらいに静かな朝の街は、少しツンと寒い。お店に着くと、数人くらい外で待っていてくれている人がいる。それを見ると私はとってもあったかい気持ちになるの。だって働いてるところにお客さん来たら嬉しいでしょ?しかも朝早くに。私が部屋に入ると続々と店員達もやってくる。皆んなは帽子の置き場所、色の組み合わせ、香水を巻くなどと色々なことを私の代わりにしてくれる。これを見ると、チームワークだなって思う。私はその間奥の部屋で帽子を作っている。完成した麦わら帽子と睨めっこ。さて…どっちの色が似合うのか。一晩で羽よりリボンにすることが決まったけど色がまだ決まらない。決して手を抜いてはいけない。帽子は私の命のようなものだから。赤、ピンク、サーモンピンク、青…色はすごい。こんなにたくさんの色があって、それを皆んな使い分けてこの街ができている。リボンを手に持ち唸っていると後ろから声が聞こえた。 「おはようございます。店長。僕的には、サーモンピンクなんかがいいと思いますよ。」 彼は「ほら冬明けですし。」と付け足した。彼はセンスの良い最近入ってきた南風磨。 「そうかな?それじゃぁ、サーモンピンクにしようかな…」 リボンを麦わら帽子に巻き付けて固定すると、南くんは満足そうに微笑んだ。 「良いですね。それじゃぁ、お店に出しても良いですか?」 「えっ!良いけど…」 私の作られた新品帽子が店内で売られるなんて。これは部屋を抜けて、久々に店内を見て回らなくちゃな。南くんは両手で帽子を持って帽子を置きに行った。 「…どれどれ。」
夜の子猫
夜の子猫
初心者ですが、小説書くのが大好きなので個人的にやっています。もし私の小説を見かけて読んでくれたらとても嬉しいです。Twitterはしてません。m(_ _)m 投稿は少ししかできないと思いますがよろしくお願いします (´ •̥  ̫ •̥ ` )小5です。