恋の提出期限はいつですか?!1話

恋の提出期限はいつですか?!1話
中学2年生の秋。「今日は席替えをします」という先生の声とともに教室から歓声が起こった。私のクラスの席替えは毎回担任の先生が決めて端からこの席は〇〇と名前を呼ぶ形式だった。みんな誰と隣になるか誰と同じ班になるか予想しながら期待に胸を踊らせていた。私もその1人だ。なぜなら私にはクラスに好きな人がいるから。私の好きな人それは学校1のモテ男 颯。同学年の女子の半数が1度彼を好きになったと言っても過言ではない。そして彼の歴代の彼女は全員アイドル並みにかわいくて私なんて平凡な女は出る幕もなく…遠くから見てるだけで幸せだ、それでいいのだと何度も心に念じた。 席替えが始まり、先生が順番に名前を呼んでいった。緊張が走る。私は「彼と席替え隣になれますように」と何度も念じた。先生が順番に生徒たちの名前を呼んでいく。そして颯の名前が呼ばれた。それから一向に私の名前は呼ばれなかった。「はぁおわった…」私は心の中で呟いた。友だちにこの表情から悟られたくなくて頑張ってポーカーフェイスを演じ、それと同時に私は先生の声がうわの空になり、現実逃避をしようとした。すると少し経って友だちの果南が私の肩をとんとんと叩いた。「ねぇ移動しないの?おーい、聞いてるの?」 私はその瞬間目をかっぴらいて立ち上がった。「あ!席替え!私の席どこ?」 果南は呆れた顔をしながらも席の場所を指を指して教えてくれた。「もかの席はあそこ!あの1番後ろの左から4番目の席」私の席を教えてすぐ果南は自分の机と椅子を持ち、新しい席に移動した。 私は「ありがとう」と果南の方向に向かって言い、自分の机と椅子を持って果南が教えてくれた席の場所へと向かった。すると奇跡が起きた。なんと颯は1番後ろの席の左から2番目だったのだ。班も隣の席でもないがずっと遠くから見つめるしかできなかった存在の彼とこんなに近い距離は初めてだったため私の心の中は歓喜に満ち溢れた。 この席が彼と私の始まりだとはこの時知るよしもなかった。
ベビラビ
ベビラビ
自分が経験したことから物語を書いてます。