空飛ぶクジラ

空飛ぶクジラ
「空飛ぶクジラだ…」  タバコを吸いながら、ボーッと眺めていた空にそれを見つけた時、俺は思わずそう呟いていた。  勿論、実際にクジラが空を飛んでいた訳ではない。  ただ、馬鹿でかい雲の形が何となくそう見えただけだ。  しかし、俺は不意に学生時代に見た、誰が書いたかも分からない一枚の絵を思い出していた。  それを見つけたのは、偶然だった。  授業をサボってふらりと美術室に忍び込んだ時に、たまたま本格的なキャンバスが飾られていたのだ。
はるかうみ
はるかうみ
初の短編小説なので、文章の長さなど感覚が掴めていないのですが、高評価や感想などを頂けると幸いです。