絡まった赤い糸

出会いは画面上だった。 私はいろんなチャットアプリをやって、色んな人と電話をしていた。自分の満たされない何かを補うためか、ただの気まぐれか、始めた理由はいまだに私もわからない。 いつものように「ねおち」そう投稿する。瞬く間もなく「個チャ」に返信が来る。『寝落ちしましょうお姉さん』その中から私は1人を選ぶ。大丈夫そうな人を探して。変な人ならパスしてまた新しい人を探す。 寝落ち相手は正直誰でも良かった。 彼と出会ったのは、大学生になって初めてのテストまであと1週間の時、チャットアプリの関係なんて2、3日で終わるとちゃんと理解し始めた時だった。今日はこの人にしよう。ユーザーネームは読めない英単語、でも一通目が他の人と違って面白かったから。 その日の電話がどんなものだったかは覚えていないけれど、次の日すぐその人との履歴を全部消したことは覚えている。 明日はない、それがこの世界のルールだから。気になる前に、楽しくなる前に、自分から全てを終わらせる。
8-1
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叶わない恋をしている私のちょっとした話