恋桜、散るのも惜しいが、掃くのも惜しい。
「俺、お前のこと好きみたいだ。」
生命芽吹く春、俺はクラスの男子に告白した。
そいつの名前は梅宮遥希。いつも女子に囲まれているモテ男子だ。実際、遥希は綺麗な顔をしている。加えて優しく、男気もある。つまり、性格までイケメンなのだ。そんな遥希に、俺は一年の夏から思いを寄せ、遂に一大決心をして告白に挑んだ。
「え…。」
「いや、やっぱり変だよな、男が男を好きなんて。」
「別に、そんな事は…。」
「いいよ、気を遣わなくて。どうせ告られるならさ、お前も、こんな平々凡々とした男より、煌びやかな、例えばマリカちゃんみたいな女子が良かったよな。」
「…。」
「時間、取って悪かったな。今日の事は悪いが忘れてくれ。」そう言って、返事を待たず、俺はその場を去った。いくら聞くのが辛くなったとは言え、我ながら自分勝手だったと、猛省した。しかし、遥希も気まずかったに違いないし、仮に答えられたとしても、返ってくるのが良くない報せである事は、明白だった。俺はこの選択に後悔しない。後悔してはならない。そんな風に思う。
やっぱり、失恋は失恋のままに、復縁も何もなく、俺の人生において次の恋に進むために必要なステップであり、試練でもあると。そう言うことにして、心にしまっておきたいのだ。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/9/5 14:55
あいびぃ
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!
※❤︎&コメはめちゃくちゃ喜びますので、私を喜ばせたい方は是非!
私の事が嫌いな方はオススメしません。