水面下

飛び込んだ。白い泡に包まれた。視界が青になって、 思考とは裏腹に身体は呼吸をしようともがいた。 服が水を吸い重くなると、いくらもがこうとも 陸に上がることができない。冷たい水が寒かったけれど、 心は落ち着いていた。水に反射する太陽の光が神秘的だ。 誰がが走ってきた。その人は手を伸ばしたけれど、 少しだけ私に届かなかった。本当に少しだけ。