気がつけば、半月-母-🌗🌓

その日は満月の日。夜中の出来事。 二人の天使がこの世に誕生した。女性は晴れて二児の母となった。 赤子の声が消毒液の香りのする白い部屋に響いている。 白い衣を纏った人達は、無事に産まれたことへの安堵で関係者が皆ほっとした表情をしている。 緊迫した雰囲気から一変し、優しい空気に包まれた。 病室の窓から仄かに金木犀の香る涼しい秋風を感じる。 その病室は東棟にあった。ベットから見上げた窓から見える空には雲がかかっていて、一部分光って見えた。 それが「ムーンライト」月光だと理解するのに時間はかからなかった。 暫くボーッと月光を見てみたら光が強くなった。雲からお月様が半分顔を出した。まるでひょっこりと私を見ているみたい。 そして、雲が流れ、反対のお顔も私を見た。
涼風。
涼風。
閲覧ありがとうございます。秋 涼風。と申します しゅう りょうかと読みます。 自己紹介は連載→わたしという人→📄からどうぞ