外伝2 空雲👤
「土に還りたい」
そう考えた。
グチャグチャの感情に任せ、訳の分からないままグルグルと思考を巡らせる。その度にジワ、ジワ、と溢れ出してくる生温いものは私では制御出来ないようだ。制御しようとすると情けない声を出してしまいそうになる。温もりを受け止めていた畳まれた白い紙はやがて冷たくなった。考え込んでから時間はそこまで経っていない。体感では朝日が出ているのではないか、と思う程長く感じたのだが。長そうで短いその時間、吸い続けたそれはもう紙かどうかも分からない。頬を付けたまま動かすことすら出来ないが故に、随分と前に諦めがついている。発作が出ないよう、グッとただひたすらに耐える。それはまるで金縛りのように何処も動かせず、ただピクリともせずただ横になっている。ドクドクと、止まる気配すら感じ無い液体に、最早新しい紙になど取り替える必要も無いと悟ったのはもう数十分も前のことだ。
今日が昨日に、明日が今日に変わった、その日。
やっと思うように動かせるようになったその重たい体を、いつものようにベットからベランダへと動かす。午前の時とは全くの違う。その情けない弱弱しい姿はまるで別人のようだ。思いっきり、とまではいかないものの、ベットの横で啜り泣くよりかはいくらかマシに流せる。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2025/8/20 14:27
最終編集日時: 2025/8/20 14:31
涼風。
閲覧ありがとうございます。秋 涼風。と申します
しゅう りょうかと読みます。
自己紹介は連載→わたしという人→📄からどうぞ