扉。

扉。
霧が晴れぬ街に、一つだけ光る扉があった。 リルは12歳の誕生日、祖母からその扉の鍵を渡された。 「選ばれた子だけが“向こう側”へ行ける。けれど、望んだものを手に入れるには、何かを置いてこなければならない。」 祖母の言葉も、扉の伝承も、ずっと昔話だと思っていた。だが鍵を差し込んだ瞬間、そこにはこの世のものとは思えない世界が広がっていた。 空は紫、足元は星のかけら。無数の扉が宙に浮き、開くたびに違う世界が覗く。 「君が新しい来訪者か」 声の主は、真っ白い肌と髪を持つ綺麗な少年だった。 「ここでは願いが形を持つ。だが、願いの重さは対価で決まる」 リルは考えた。 私の願い事。それは、
叶夢 衣緒。/海月様の猫
叶夢 衣緒。/海月様の猫
自己満です。 少し投稿頻度落ちてます。 ※フォロバ目的のフォローはしません。フォロバも期待できないと思います。 2023年 2月27日start 3月3日初投稿