扉。
霧が晴れぬ街に、一つだけ光る扉があった。
リルは12歳の誕生日、祖母からその扉の鍵を渡された。
「選ばれた子だけが“向こう側”へ行ける。けれど、望んだものを手に入れるには、何かを置いてこなければならない。」
祖母の言葉も、扉の伝承も、ずっと昔話だと思っていた。だが鍵を差し込んだ瞬間、そこにはこの世のものとは思えない世界が広がっていた。
空は紫、足元は星のかけら。無数の扉が宙に浮き、開くたびに違う世界が覗く。
「君が新しい来訪者か」
声の主は、真っ白い肌と髪を持つ綺麗な少年だった。
「ここでは願いが形を持つ。だが、願いの重さは対価で決まる」
リルは考えた。
私の願い事。それは、
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/7/21 12:09
叶夢 衣緒。/海月様の猫
自己満です。
少し投稿頻度落ちてます。
※フォロバ目的のフォローはしません。フォロバも期待できないと思います。
2023年
2月27日start
3月3日初投稿