フレイル=サモン〈CⅩⅩⅩⅩⅣ〉

フレイル=サモン〈CⅩⅩⅩⅩⅣ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・カラクサ宿屋〉  徐々に傾き始める夕焼けを尻目に、フレイルは宿屋へと続くなだらかな丘を登り終えた。年季のいった木造家屋を眼前に、ふとある事を思い出す。  特待兵寮の契約を終えた今、もうここへ帰ってくる事はそうそうないはずだ。当分の拠点だったここを離れるのは辛いが、旅立ちと捉えれば少しは気持ちが軽くなる。フレイルは頭の中でそう切り替え、玄関の戸を開けた。 「ただいまー」 「おうフレイル、おかえり」 カウンターに腰掛けながら迎えたのは、嬉しそうに白尾を揺らすラノスだ。頼んでおいた食器洗いはもう終わらせてあるらしい。 「洗い物、ありがとね。助かったよ」 「ええって事よ。それよりコレや!」 ばばんっと自慢げに掲げたのは、彼の体に隠れてカウンターに置かれていた酒瓶だ。そう、「酒の瓶」である。
クリオネ
クリオネ
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