フレイル=サモン〈CⅩⅩⅩⅩⅣ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・カラクサ宿屋〉
徐々に傾き始める夕焼けを尻目に、フレイルは宿屋へと続くなだらかな丘を登り終えた。年季のいった木造家屋を眼前に、ふとある事を思い出す。
特待兵寮の契約を終えた今、もうここへ帰ってくる事はそうそうないはずだ。当分の拠点だったここを離れるのは辛いが、旅立ちと捉えれば少しは気持ちが軽くなる。フレイルは頭の中でそう切り替え、玄関の戸を開けた。
「ただいまー」
「おうフレイル、おかえり」
カウンターに腰掛けながら迎えたのは、嬉しそうに白尾を揺らすラノスだ。頼んでおいた食器洗いはもう終わらせてあるらしい。
「洗い物、ありがとね。助かったよ」
「ええって事よ。それよりコレや!」
ばばんっと自慢げに掲げたのは、彼の体に隠れてカウンターに置かれていた酒瓶だ。そう、「酒の瓶」である。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/3/2 8:16
クリオネ
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。