青い想い

青い想い
彼女が消えた。 僕の目の前にはもう、彼女が座ることのない机と椅子が残されているだけだった。 もともと、どこか儚い雰囲気を纏った子だった。 僕は彼女が好きだった。 一重で切れ長の目も、すぐに赤くなってしまう頬も、端正な顔立ちも、腰まである長い髪も、全て。 でも、もういない。 冬休み明け、中学一年生の僕は、何も言わずに引っ越し、転校していった彼女の残像をただぼんやりと眺めている。 友人が僕の顔を見て慌てたように、僕に言う。 「大丈夫だよ。また会えるって…それに、他にも女子はいるし。」 僕はそれで気づいた。自分の頬に伝わる、どんどん溢れ出して滴っていく熱が何か。
Raika
Raika
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