メトロノーム⑥
−なんで急に過去のことを思い出したのだろう。
光は困惑していた。姉にメトロノームをプレゼントしてから、なんとなく気分が上がらない。
「姉ちゃんは…気づいてるかな」
灯にプレゼントを贈るとき、光はいくつか嘘をついた。
(…父さんと母さんからだよ。)
(もうおつかいは終わったからな。)
これらは嘘。実際は姉のことを気にかけていた光が用意したものだ。
もちろん両親も灯のことを心配していたが、『メトロノームを灯に渡す』というアイデアは思いついていなかった。
“とにかく、これで姉ちゃんに元気出してもらわないと…。”
光は、姉の演奏をもう一度聴きたかった。…いや、一度とは言わず、何度も聴きたかった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/4/15 2:01
白羽 唯
ファンタジー小説を主に制作する、小説作家志望です。
まだまだ文章が下手&Novelee初心者なので、温かい目で見てもらえると嬉しいです!
誠に申し訳ないのですが、都合により不定期投稿になります。すみません。