月
僕は常に穴の底にいた。
穴の底から見上げる月はとても明るく、綺麗だった。
土の匂いと暗がりには慣れ親しんでおり、時々顔を覗かせる土竜とは友達だった。
ある日、可愛いらしい女の子が覗き込み、僕に向かって「何でそこにいるの?」と声を掛けてきた。
僕は考えてみたけど分からなかったので「分からない。生まれた時からここに居るから」と答えた。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2024/9/29 15:35
徳永
何故だか分からないけど、いつの間にか文章を書いてしまう病の大人。少し暗めの短編多め。