第四話「サイコロと、ほんの少しの本音」

第四話「サイコロと、ほんの少しの本音」
「ほい、ルーレット回して!小花ちゃん、人生の岐路だよ!」 「いや、そんな大げさな……」 保健室のちゃぶ台(なぜか存在する)には、人生ゲームが広げられていた。
小花と吉田先生が向かい合い、ボードの上には結婚して職業も決まり、順調に家を建てた小花のピンクの車と、何度転職しても無職を引き当て続ける吉田先生の緑の車が並んでいた。 「はぁ……また転職ですか、先生」 「クソ……なんで私だけこんな仕打ち……。誰か私の人生にDLC入れてくれ……」 「現実逃避がすぎますよ」 そう言いつつも、小花はルーレットを回した。数字は「5」。
マスを進めた先には「家族旅行」のマス。 「うわ、何これ……“家族で沖縄旅行、幸福度+10万”……」 「いいなぁ小花ちゃん……先生なんてね、さっき“火事で家全焼、借金-2千万”だったよ。もう笑うしかないよね!」 「そんな人生ゲームあります?」
にゃの桜
にゃの桜
本が好きで自分でも小説を書けるかなと思いアプリを入れました! 上手な事関係なく、楽しくやって行けたらと思っています!