「ありがとう」と「ごめんね」がいえるひと。
かれのいないところで、
かれの仕草がふと思い出されました。
臆病な私はそれを、
恋と言えずに、口を閉じたままなのです。
わたしと彼は姉どうしが友達というのもあって、私は彼に、会う前から少しだけ親しさを覚えていました。小学校、中学校が同じでしたから、それなりに仲がよかったのだと思います。中学三年生のころには、四回も席が隣でしたので、よく喋っていたのです。わたしは社交的な方ですが、心のうちというのはとても臆病で、結局のところ、大切なことが何一つ言えません。
ですから、彼のことが好きであることを自分にも隠し続け、高校が別になり、もう関わることはなくなりました。ただただ、ハンカチで丁寧に手を拭く仕草や、私に何かを教えてくれるときの指先が恋しくなりました。
しかし、恋しい恋しいと嘆いても、部活も勉強も思った以上に忙しかったので、それを忘れるように打ち込みました。それでも、何度か寂しくなって、なんてことのないようなメッセージを送り、少しだけ話したりしました。でも、話を切るのはいつもあちらの方で、なるほど、これはなんとも思われていないなと諦めてしまいました。
冬になりました。朝はいつも少しだけ勉強をして授業をうけるので、学校に着く時間帯はとても体が冷えこみます。ジャスティンビーバーを聴いていると、ブブッとバイブ音が響きました。何かと思ってみると、彼からなにかメッセージが来ています。これは期待せずに見た方がいいなと思い、開けてみると、私たちが好きなアニメが明日放送されるとのことだったのです。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/2/7 11:11
歩道橋
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