花嵐をなぐ 2.赤毛の少年

花嵐をなぐ 2.赤毛の少年
「ただいまなのなー!」  元気よく寮内に響く声は男子高校生にしては随分と高く愛嬌のある声だった。 「おかえり」  玄関の方からさらに玲央凛の声が聞こえ、今帰ってきた人物は楽しそうに今日あった出来事を語り始めた。ところどころ聞こえてくる声から考えるに彼は語尾に「〜なのな」とつける口癖があるらしい。漫画やアニメに出てくるようなキャッチーな口癖だが、可愛い声にはあっていると遠巻きに聞きながら思った。  ふと、彼の話し声が止まった。一瞬静かになると、次は玲央凛の声が聞こえた。 「まほろ。来てくれるか?」  未だリビングの真ん中で突っ立っていたまほろはすぐに玄関へと向かった。すると、玲央凛の後ろに先ほどの声の主であろう少年がピッタリとくっついていた。思っていたよりもずっと小さい。おそらく、150cm代くらいだろうか。白と黒の市松模様の猫耳ニット帽が頭の左側に何本かの編み込みがされている赤毛によく似合っていた。その少年はまほろとは目を合わせようともせず、少し怯えたように俯いていた。彼もまた、人見知りなのだろうか。 「まほろ、こっちにいるのが27HRの猫月音だ。」 「よろしく」 「よろしくなのな…」
檎
小説初心者です! 読書と手芸が好きな学生です! 作品に関するアドバイスや感想を言っていただければありがたいです! プリ小説の方でも同じ檎(ごん)って名前で活動しています。夢小説じゃなく、もっと本格的な小説に興味があって始めました! よろしくお願いします!