死にたがりの女の子

死にたがりの女の子
僕は今、何でも願いを叶えてくれるという町外れの古くさい建物の前にいる。何でも叶うんだったら僕の願いだって。そう思い、扉を開けた。 「どなたかいらっしゃいますかぁ?」 そう問いかけても返事はなかった。誰もいないのかなと思ったその時、ふと奥の方から小さな音が小刻みに聞こえてきた。気になり見てみると小さな女の子がいた。六歳ぐらいだろうか?僕と同じぐらいで、見間違いだろうか?どこかで見たことがあるような…どうやら縄跳びをしているようだが凄く地面の面積が狭くて少しでも着地する時に足を踏み外したら落ちてしまいそうな感じでとても危ない。 「あの!何でも願いを叶えてくれると聞いて来たのですが、もしかしてあなたが?」 女の子はゆっくり振り返ると小さく首を振った。 「私は魔法使いではないの。ごめんなさい。何でも願いを叶えてくれるという魔法使いは今、地下10000階にいるわ。やめておきなさい。」 僕は驚いてしまった。そんな桁の階を聞いたことがなかった。 「で、でもどうしても願いを叶えたくて!!」 女の子は首を振った。 「私は魔法使いに死にたいと言ったの。でもね、ここで毎日縄跳びをして踏み外すまでは死ねない呪いをかけられたの。魔法使いは何も願いは叶えてくれなかったわ。せっかく地下10000階まで行ったのに…だから貴方も後悔するわ。やめておきなさい。大体、何を叶えてもらいたかったの?」
りあ
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