私のキッカケ
その日は、自室の隅で泣いておりましたわ。
男手一つで育てて下さったお父様に泣いている姿など見せられません故、誰にも気づかれぬよう静かに、ただ泣いておりました。
まぁ何か…嫌なことがあったのでしょう。その後の出来事が衝撃的すぎましたので、何故泣いていたかはよく覚えておりません。
髪留めを取りオウムちゃんを胸に当て、静かに泣いていました。
すると男性の声で、ふふっと微笑む声が聞こえたのです。一瞬お父様かと思いましたが、部屋のノックは聞こえませんでしたし、何よりお父様より若い声でした。当時の私は頭がぐちゃぐちゃでしたもので、よく分からないままとりあえず顔を上げました。
そこには、不思議な男性がいらっしゃいました。深い紫の長髪、病的なまでに白い肌、くたびれた白シャツに黒いセーター…まぁ正直に申し上げれば、なんて邪悪で怪しい方なんだと思いましたわ。
その方はこちらを見て微笑みながら、私の顔を覗き込むようにしゃがんでいました。
私はその怪しい姿を見て驚き、涙も拭かないまま後退りました。理解が追いつかない私を笑いながら、説明を始めました。
まず、自分を悪魔だと名乗りました。自分の魔法で、ここまでやって来たと。確かに悪魔の話はたまに耳に挟みましたが、最初はもちろん信じられませんでした。何故こんな所に、何故未成年の私に、しかもよりによって泣いている途中に…と、考えれば考えるほど分からなくなっていきました。
お名前は聞いたのですが、長くてよく覚えられませんでした。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/7/31 9:28
鴉君。
カァー。こんばんは、カラスです。
とある通信制高校に通う鳥頭です。
投稿も反応もウルトラ激遅です。がんばります。
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