追憶の名残〜blue side story〜 第8章 過去へ繋がる森Ⅰ
あれから無情に時間だけが流れていった。今日で、もう四日目だ。解決策も出ず、三人で途方に暮れる。
夕食にはアレクがカルボナーラとグリーンサラダを用意してくれたが、味はたいして分からない。ミユに拒絶されてから、味覚がおかしくなってしまったのではないかと言う程だ。
「美味しくない」
「残すなよ」
小さな呟きもアレクに反応され、思わず溜め息が漏れる。
会議室で食事を摂っていても、会話は殆ど無い。みんなが頭でっかちになって、自分の中だけで思考を完結させてしまっている。
俺もそうだ。考えても、考えても、ミユに前世の全てを思い出して欲しい。魔法を得て欲しい。その結論にばかり辿り着く。では、どうすればミユは素直に従ってくれるだろう。結論は出ている筈なのに、その結論を回避しようとしてしまう。ありのままを全て話せば良い。見せられている過去は前世の記憶だと言ってしまえば良い。そうする勇気が、心構えが、俺には足りないのだ。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/11/1 6:44
七宮叶歌
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