小説に直せない夢の話

小説に直せない夢の話
泣いていたらしい。 夢に出てきたのは、去年亡くなった祖父だった。 祖父は私が生まれた時にはすでに認知症を患っていて、 生涯一度も、私の名前を呼んだことはなかった。 祖父との確かな思い出は、ひとつだけしかない。 あれは私が小学生の頃、熱を出して学校を休んだ日のことだ。 祖母も両親も仕事で家を空け、弟は保育園。
かつらな
かつらな
現役女子高生、17歳。 かすかな痛みと夢の残り香を言葉に変えて、生きている証を綴る。