贅沢

南方に、或大富豪が暮らしていた。 彼は、その明晰な頭脳と豪運の為に、膨大な資産の持ち主でいて、 それは、残りの人生をどれだけ豪勢に、無駄に金を使っても 手に持ちきれぬ程であった。今までも何十年と、一通りの 豪華な暮らしと絢爛な装飾物で金を費やしてきたが、 それでも総資産の百分の一に届くかどうかであった。 彼にとって、金の使い道を探すのが唯一の悩みであった。 なぜならば、もはや彼にとって高価なものに感じる 価値というのは、すでにありきたりなものであって、
後川
後川
書きたいときに書くので、1,2ヶ月に2本程度しか書けません。フォローしてくださる方、ありがとうございます