恋の提出期限はいつですか?! 2話
授業のおわりを知らせるチャイムが鳴った。クラスではもっぱら席替えの話で持ちきりだ。誰と隣になったか誰と同じ班になったか、はたまた〇〇と離れて悲しいだとか色んな声が聞こえてくる。 そんなクラスの光景を眺めながら私は颯と少しでも近くの席になれたことに夢見心地だ。頭の中ではこの感情を表してくれているかのような幸せな音楽が鳴り響いている。 そんなことを考えているうちに次の授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。次の授業は国語。移動教室でもグループになって意見を出し合う授業でもないため席はこのまま。いつもは憂鬱な授業の時間もこの日ばかりは身が入る。だけど気になるのは颯の姿。私は椅子を少し引き、背中を仰け反るようにして颯の方をみた。すると颯は椅子を斜めにしロッカーの方へと傾け、片手をロッカーに置きながら授業を聞いていた。次の瞬間、颯は私の視線に気づいたのかこっちを見て、彼と目が合ってしまった。私は心臓の鼓動が早まり抑えられなくなった。いつも遠くから見つめることしか出来なくて目を合わせることなんて以ての外だと考えていた私にとってはとても嬉しい記憶だ。その日はその後も颯と何度も目が合った。もちろん偶然ではなく私が見つめていたからその視線に気づいてだけだと思う。だけどそれでも私は颯と目が合うだけで幸せだった。それから彼とは毎日のように目が合った。むしろ目が合うのが当たり前のような感覚になっていって学校に行く足取りも軽くなった。ここから幸せな学校生活が始まる。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/11/16 0:27
ベビラビ
自分が経験したことから物語を書いてます。