私を見て(第四話)

私を見て(第四話)
私と雫が出会ったのは、中学校の入学式だった。その頃はたまたま同じクラスになった同級生のうちの一人に過ぎず、お互い関心など無かったように思う。 そんな私と雫の関係に変化が訪れたのは、あることが原因だった。 中学一年生の夏頃、雫へのいじめが始まった。 中学校での生活にも慣れ、クラスが退屈を感じ始めていた頃、一日のほとんどを一人で過ごしていた雫は格好のターゲットになってしまったのだ。標的が雫になってしまったのに深い理由は無い。ただ暗くて浮いた存在だったから。本当にそれだけが原因だったのだ。 雫へのいじめは、今私がされている無視のような生易しいものでは無かった。 靴を隠されたり、教科書やノートがビリビリに破られていたり、わざとぶつかられて怪我を負わされたり…。本当に典型的で、陰湿なものだった。 どうしても見ていられなかった私は、その度に雫を庇っていた。
夜桜 栞
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夜桜 栞(よざくら しおり)です。 まったり小説投稿するので、よかったらお付き合いください♪