君から貰った見えないプレゼント

君から貰った見えないプレゼント
窓から見える雪景色と私がいるこの部屋、どちらの方が真っ白いか比べながら暇つぶしをしていた。最近出た新作の小説は読み終えてしまったし、テレビには走ったりジャンプしたりする同い年ぐらいの子が映るからあまり好きじゃない。それでもあと少し我慢したらサンタさんに逢える。私はその為にどんなに辛いリハビリにも頑張って耐えた。 12月に生まれた子達だけが発症する病気、10歳から15歳くらい年代で発症し手足が冷たく白くなっていく。まるで雪の様に。少しは薬で進行を遅らせる事も出来る。けれどそれでも18歳辺りになると膝まで伸びて来るのだ。名をクリスマス症候群。 20歳を超える頃には全身が白く冷たくなりやがて死にいたしめる病気。けれど医学も進化していくのだ。それを止める治療法は既に発見されて、今では太もも辺りに届くか届かないかと言う辺りで止める事ができる。あとは手術を行い薬を処方し、リハビリを繰り返す。発症したとしても、人によっては早くて1年から1年半で治ると言う。 けれど私は17歳から発症してこの佐野病院に入院してからもう2年が経った。 そして明日、12月25日はクリスマスであり私の誕生日でもある。昔はプレゼントを2個貰っていたけれど、中学を卒業してから纏められてしまった。一昨年までは。 「私も等々19歳か。早いもんだね、高校生活も真面楽しめずに卒業しちゃったし。大学はちゃんと行きたいな」
ヨシコウ
ヨシコウ
目標、1日一つの一物語を。 pixivでも小説書いてます。 同じ名前です。